広島県出身。大学在学中に経営とマーケティングを学んだことから、販売促進ツールとしての商業印刷に興味を持ちTOWAへ入社し営業一筋。大阪勤務とクライアントへの出向を経て東京へ赴任。
販促企画を得意とし、大手クライアントと昼夜を共にしながら様々なキャンペーン施策に従事。
学生時代からお酒をこよなく愛し、休日は友人との飲み食べ歩きに明け暮れることも。
優しい笑顔だが、実は社内で一番の熱血漢。
周年キャンペーンにおけるメインビジュアル作成、交通広告の実施、キャンペーンの企画・運営、社内啓蒙活動のサポートなど
用紙 | コート紙 |
加工 | 化粧断裁 |
制作部数 | 50,000部 |
「セロテープ®」、両面テープ「ナイスタック™」、救急絆創膏「ケアリーヴ™」をはじめとする様々な製品を製造、販売するメーカーであるニチバン株式会社(以下、ニチバン)。
「ぴったり技術で明日をつくる」という企業メッセージを掲げ、粘着技術を用いた様々な製品で毎日の生活の中で消費者に寄り添い愛され続けている企業です。主力製品である「ナイスタック™」が発売50周年を迎えた際にはこれを記念し、「ナイスタック™発売50周年記念キャンペーン」を実施。
TOWAでは、この周年キャンペーンにおけるメインビジュアル作成から交通広告の実施、キャンペーンの企画・運営、社内啓蒙活動のサポートなどをトータルで行いました。
広範囲にわたる施策を実施するため統括的なディレクションやクリエイティブ力を強く求められる案件で、TOWAが選ばれる理由を営業部の若狹ふみに聞きました。
主力製品の1つである「ナイスタック™」が50周年を迎えるにあたり、ニチバンではパッケージのリニューアルも企画。
50周年キャンペーンでは製品が長く愛されている事の感謝の気持ちを伝えるとともに、リニューアルパッケージの認知も行える施策を求められていました。
提案を行う上で、最も注力した点を若狹はこう振り返ります。
「ご提案時には、パッと見た瞬間にインパクトがありパッケージを訴求できるメインビジュアルに最も力を入れました。周年ロゴはメインカラーである赤を基調として、「ナイスタック™」の特徴でもあるD型で表現しています。」
その周年ロゴが全面に散りばめられたメインビジュアルは、シンプルでありながらもパッと目を惹くインパクトがあるデザインです。このメインビジュアルを軸にして、若狹は様々な施策を提案しています。
「節目である50周年ということもあり、最初はやり過ぎだと思われるくらい様々な施策をご提案しました。そこからお客様に選択して頂き、オープン・クローズのプレゼントキャンーペーン、キャンペーンサイトの構築、店頭販促物の作成、新聞広告・駅貼り広告、ピールオフ広告、社員さま向けの社内施策など多方面へ露出できる施策を実施いたしました。」
若狹は実施した施策をさらっと並べたが、施策の種類も媒体も多岐にわたっている。印刷会社が手に負える範囲ではないのでは?という正直な疑問をぶつけてみたところ、よく言われるんですと笑いながらも若狹はこう言います。
「これは、上司もよく言っている事なのですが『TOWAは印刷会社ではなく印刷機を持った広告代理店』だと私は強く思っています。今回のキャンペーンも"節目のキャンペーンなので、より良い提案が出来る会社"だからパートナーに選択したとニチバンさまに仰って頂けました。両面テープ= 「ナイスタック™」 と言っても過言ではないほど、市場に認知され浸透されている商品の50周年キャンペーンを任せて頂けた事は私自身にとっても大きな自信になっています。」
様々な施策の中でも、電車の車体広告( ラッピング広告) や新宿駅地下通路で行ったピールオフ広告は特に顧客や消費者からも評判が良かったようです。
「車体広告は、関東では池袋駅を支点に、関西では難波駅を支点に電車を走らせました。それぞれの拠点近隣企業・住民の皆様へ感謝の気持ちを伝えたいとの想いからこのエリアで実施しました。
公共交通機関である電車を使い、馴染みのある特定エリアへの認知を目的としています。
これとは反対に、尖った施策としてピールオフ広告は新宿駅で実施しました。深夜にポスター掲示とサンプル貼り付け作業を徹夜で行い、朝6 時解禁だったのですがとても反応がよく、瞬く間にすべてのサンプルがなくなってしまい…実は、ニチバンさまのご担当者が9時前に視察に来られたのですが"1つも残っていなかった!!"とピールオフ広告の反応の良さにビックリされていました。」
これからの展開について聞くと、ちょっと本筋とはズレるのですけどと断りながら若狹はマーケティングに関わる上で興味深い話をこう切り出しました。
「私たちの世代は、自宅に自分宛のDM が届くのは当たり前でした。消費者の方からは数多く一方的に届けられるノイズだと認識され、結果"紙は効果がない"という悪循環に陥ってしまったのだと思っています。けれど、デジタルがコミュニケーションの主流になり、所謂デジタルネイティブである若年層の消費者へ紙のDM を送ると"自宅に自分宛てのお手紙が届いた! "と驚き想定以上の効果があると言う話もあります。」
プロモーションを行う際には、様々なツールをターゲット層や商品特性などに合わせて選択します。若年層であればSNS などのネット系ツール、シニア層であれば新聞広告や駅貼り広告というように使い分けています。
ただ、この既定路線に沿う選択だけではなく"あえて"にチャレンジする事が企業や商品の新たなファンを獲得するきっかけになると言います。
「企業にとってブランド・ロイヤリティ= 愛されるブランドづくりは、重要なマーケティング課題です。プロモーション等を通じて、子供時代に印象に残る体験をしたブランドは"子供時代の思い出"と結びつきブランドへの愛着が高まるとも言われています。なので今時点のターゲット層に向けてだけではなく、10年先・50年先のファンをつくる施策を行っていきたいと思っています。」
(公開日:2020年9月25日)