モリタ宮田工業株式会社×株式会社創英
たった20部のスペシャルパッケージを紙から制作

制作事例・インタビュー

営業部髙木彩佳
髙木彩佳
営業部 東京営業所 チーフ

大阪府出身。入社配属先は経理だったが「東京で営業職に就きたい!」と社長に直訴し続け2016年に営業職へ転属。
仕事のモットーは、お客様の本心を知ること。
複雑で細やかな対応が必要な案件を得意とし、クライアントだけでなく協力会社とも強固な信頼関係を構築。
趣味はドラマを見ることで、休暇を利用して撮り溜めたドラマを見ることがパワーの源。
クライアントからの無茶振りにも、ガッツで応える負けず嫌い。

制作物の概要

消化器のギフトボックス写真

消化器のギフトボックス

用紙 気包紙V-FS ライトラフ+色上質
加工 合紙+CADカット
制作部数 20部

東京都江東区に本社を置く消火器・消火設備製造のトップメーカーであるモリタ宮田工業株式会社(以下、モリタ宮田工業)。
身近な防災用品である消火器をはじめ、グループホームなどで導入が進められている消火設備など、防災関連製品の開発・製造・販売をされています。
2019年から「防災をライフスタイルに。」をコンセプトに、デザイン性を重視した家庭用消火器ブランド「+maffs」(マフス)を立ち上げられました。

同年4月には「消火器を贈る 温かなギフト文化」を作ることの挑戦として、クラウドファンディングも行われています。
TOWAでは、このクラウドファンディングへの支援者のリターンとして贈られる消火器の特別仕様パッケージを株式会社創英(以下、創英)と一緒に制作を行っています。
極小ロットのパッケージを、アイデアと機転で可能とした営業部の髙木彩佳に話を聞きました。

特別感を演出するオリジナルの特殊紙を作成

家庭用消火器「+maffs」は、通常クラフト紙で作成されたパッケージに入れ販売されています。
今回のクラウドファンディングでは、支援者へのリターンとして制作するので特別仕様としてさらにギフト感のある特殊紙を使ったラッピングにしたいと、モリタ宮田工業から最初にリクエストがありました。

「創英のご担当者さまが、長年ウェディングのカードや席次表などを印刷していて"TOWAは特殊紙に強い"という事を覚えていてくださりお声がけを頂きました。お打合せではラフ図を見ながら仕様を説明頂いたのですが、イメージが明確に定まっていて、裏と表が違う色の紙でパッケージをつくりたいと言われました。」

デザイナーのリクエストは表面には温かみがあり手触り感が良い白色、裏面は特色印刷でした。

「ご要望を聞き進めると、紙の断面にもこだわりがあり、断面も白と色の両方を見せたいとのこと。1枚の用紙ではそれは表現出来ないので、2枚の紙を合紙して作成することをご提案しました。表面用と裏面用それぞれリクエストに合う紙をいくつか選択してご提示し、その中からイメージに近い紙をそれぞれ選んで頂きオリジナルの用紙を作成しました。」

コストを意識した提案じゃないと意味がない

さらに用紙だけではなく細部までこだわった仕様になっていて、下部には消火器型に小さな穴を開けてクラフトのパッケージが少しのぞくようになっていたり、上部には小さなメッセージカードが添付できます。

「この部分は、最初+maffsのロゴマーク型のクリップを作成してカードを留めたいとのご希望だったのですが、クリップの見積もりをしてみたところ莫大な金額になってしまいまして。代替え案としてパッケージ側に切り込みを入れてカードを挟みこみ、カードにロゴマーク型の銀箔押し加工をすることをご提案しました。」

モノづくりを行う上でお客様のこだわりを実現する知識や技術力・対応力は必須ですが、同時にコストも大切な提案力だと髙木は断言します。

「どんなに良いモノづくりが出来たとしても、それがお客様の予算内に収まっていなければその提案が通る事はありません。なので、どうすれば予算内で実現できるかの代替え案は常に考えています。この引き出しを多く持つ事が、営業を行う上でとても大事になると思っています。」

古い技術と新しい技術を掛け合わせられる提案力

こだわったモノづくりを実現するためには、様々な技術や知識が必要となります。
今回のパッケージでも、合紙加工・CAD加工・箔押し加工・デジタル印刷(オンデマンド印刷)・バリアブル印刷とアナログからデジタル技術まで幅広い加工・印刷方法を用いて制作を行っています。提案力を鍛えるために日頃から一つ工夫している事があるんですと、高木は続けます。

「お客様の要望に応えるには、当然社内生産だけではなくパートナーとの連携が必要になります。なので、例えば抜き加工が必要になった時に専門にされているパートナー企業に相談はもちろんなのですが、全く畑違いの技術を持つパートナー例えば製本会社にも相談をしてみる…という事を行っています。」

専門ではないからこその工夫や思わぬアイデアが生まれ、別の角度からの提案ができるようになると言います。
私、壁にぶつかっても絶対あきらめないんですよねと笑いながら髙木は続けます。

「今回一番、苦労したのが設計の部分でした。紙の厚みの影響で外装用ダンボールに入らなくなったり、取り出す時にメッセージカードが外れるような事がないか、2~3週間パートナー企業と一緒に試行錯誤を繰り返しました。他にも、トムソン加工では不可能な、小さな穴で消火器のデザインを表現しており、CAD加工だから出来たものの、カストリは1つ1つ爪楊枝で綺麗にとってもらいました。何か課題が出てきても、絶対に解決方法はあると信じてモノづくりを行っています。だからこそ、ご納品後に"良かったよ!"のお声は本当に嬉しいですね。これからも、提案力・ディレクション力を鍛えて諦めないモノづくりを行っていきたいと思います。」

(公開日:2020年9月25日)

お気軽にお問い合わせください